Word再入門1・変更履歴とコメント
ワープロの重要性
広辞苑にも載っていませんが、「行き真似」という言葉があるそうです。「親などが子どもに対して、立ち去るふりをして戯れること」のようです。よく見かけるこの行為に、名前があったとは意外ですね。
閑話休題。私は、翻訳を含め、文章を作成する場合は、テキスト エディタではなくワープロを使うことをいつもお勧めしています。テキストエディタは、もともと文章を書くために作られたのではなく、プログラムやスクリプトなどを作成するためのものです。テキスト エディタは、テキストをデータとして整形したり一括処理したりする場合には、便利なこともあります。しかし、「他人に読んでもらうため」の文章を作成するためには、ワープロの機能を正しく活用することが重要です。ワープロの豊富な機能も「おせっかいな機能だから」とむやみに拒否するのではなく、「どうしたら便利に使えるか」とポジティブに考えてゆきたいものです。
このコラムでも、今後ワープロについて、特にMicrosoft Wordの機能について取り上げてゆく予定です。解説にはWord 2003の画面を使います。Word 2007をお使いの方は、以下のリンクも参照してみてください。
テキスト エディタにはないワープロの機能として、変更履歴とコメントの機能があります。今回は、これらの機能についてご紹介します。
変更履歴
変更履歴は、だれか他の人が書いた文書に対して赤字を入れるときに使います(図1)。
操作手順:Wordのステータス バーの[変更]をダブルクリックするか、ショートカット キーCtrl+Shift+Eを押すことでオンにできます。

図1:変更履歴 |
変更履歴をオンにすると、図1の[チェック/コメント]ツールバーが表示され、関連する作業をすることができます。これ以降、その文書に対してどのように変更を行ったかはすべて記録されます。図1では「文章」という語句が削除され、「文書」という語句が「山本ゆうじ」(要するに私ですが)というユーザーによって挿入されたことが示されています。複数のユーザーが編集した場合は、それぞれ区別して記録されます。
なお、WordでSDL Tradosを使う場合には、Wordの変更履歴をオフにする必要があります。変更履歴をオフにする場合は、オンにしたときと同じ手順でステータスバーの[変更]をダブルクリックします。
下線付きの赤字が増えすぎると、文書が読みにくくなります。下線付きの赤字を一時的に隠すには、下図のように[最終版]を選択します。

下線付きの赤字を再度表示するには、[最終版 (変更箇所/コメントの表示)]を選択します。
変更された箇所は一つ一つ確認して、変更を承認するか元に戻すか選ぶことができます。変更された箇所を一度にすべて承認するには、下図のように[ドキュメント内のすべての変更を反映]をクリックします。

コメント機能
変更履歴は、文書そのものを直接変更します。これに対して、文書そのものをいじりたくない場合には、コメント機能を使います。

操作手順:コメントを挿入する位置に、キャレット(点滅している縦棒)を移動してから、Wordの[挿入]メニューの[コメント]をクリックします。
「ここはこう書け」と他人に言われると、カチンとくるものです(文章校正機能が嫌われるのも同じ理由でしょう)。紙と違ってワープロ文書には「余白の制限」がないので、いくらでもコメントを付けることができます。しかし、複数の人間が意見交換をする場合などは、変更履歴もコメントも、本当に重要なポイントに絞ったほうがよいと思います。もちろん、校正者が執筆者や翻訳者に対してコメントするときなどは、徹底する必要があるでしょう。
Word文書を最終的にDTPソフトの文書に変換する場合でも、まず執筆者と校正者が、Word上の変更履歴とコメント機能で、修正箇所をチェックします。DTPソフトよりも、Wordのほうが校正機能が充実しています。そのため、Wordでチェック可能な、(レイアウト以外の)文章上の修正箇所を最初につぶしてから、DTPソフトの形式に変換し、レイアウトのチェックをしたほうがよいでしょう。
アンケートも引き続き行っていますので、今後扱って欲しい内容がありましたらぜひお知らせください。
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