Word用置換ツール「換の玉」

図 1 Word用置換ツール換の玉
|
手作業で校正・チェックしていませんか?
拙作のWord用置換ツール「換の玉(かえのたま)」(図 1)を使用すれば、Word文書に対して一括置換や逐次置換を行うことができます。テキスト、XML、RTFはもちろん、Wordで開けるすべてのファイル形式が対象になります。
換の玉ダウンロード
換の玉は、翻訳者、チェッカー、校正者の仕事を支援するツールとして、出版社、新聞社、メーカーなどで活用いただいています。
換の玉では、「検索する文字列」と「置換後の文字列」のペアを置換辞書として、保存・編集・読み込みができます。特に以下のような作業に便利です。
* 毎回同じ語句を検索・置換するとき
* 複数の文書で同じ語句を検索・置換するとき
* 用語をチェックして統一したいとき
* 特定の語句・文字を削除するとき
* 文書を整形するとき
通常、Wordの置換の履歴は、Wordを終了すると削除されてしまい、また履歴の数も限られています。換の玉マクロを使用すると、同じ置換や検索を何度も行う場合に入力の手間を省くことで、作業を大幅に効率化し、編集もれやミスも減らせます。
置換するための辞書は、自由に追加できます。すぐに使い始められるように、換の玉正式版のパッケージには、サンプルとして以下の辞書が含まれています。
1. 表記修正サンプル辞書
2. 漢数字を数字に変換
3. 数字を漢数字に変換
4. 機種依存文字の修正
5. カタカナ語言い換えの例
たとえば「機種依存文字の修正」辞書(図2)を使えば、機種依存文字を、どのような環境でも安全に使用できる表記に置換することができます。図2で挙げている機種依存文字はごく一部で、実際のパッケージにはさらに多くの置換例があります。

図 2 機種依存文字の変換の例 |
Wordの置換機能を強化する―換の玉 置換バー
換の玉正式版をインストールして、追加されたツールバーの[置換バーを表示]をクリックすると、上図の置換バーが表示されます。
使い方の手順としては以下のようになります。詳細は、ダウンロードしたパッケージ内の説明文書も参照してください。
1. 置換辞書を作成する
どの文字列をどう置換するかは、事前に設定しておく必要があります。タブ区切りのテキスト形式で、置換前と置換後の文字列の辞書を作っておきます。サンプルの辞書を参考にしてください。
2. [置換辞書を選択]で置換辞書を選ぶ
図1のメイン画面が表示されます。複数の置換辞書は、タブですばやく切り替えることができます。
3. 置換したいペアをダブルクリックで選択する
または最初から順に置換してゆく
またはすべてのペアで置換する
置換バーでも直接、置換・検索をすることができます。「こちらの訳語の方がよかった」と後で思いついたときや、「前にはどう訳したかな」と思ったときには、置換バーで前後に戻ってすばやく置換・検索できます。詳細設定が必要な場合は、置換バーの[ダイアログ]ボタンをクリックすることで、Wordの[検索と置換]ダイアログ ボックスに切り替えることができます。
逐次置換してみて、「この様子なら全部置換しても大丈夫」と確信が持てれば、[全置換]ボタンで残りを一気に置換することもできます。
チェックする項目が多くても問題ありません。図1の[抽出辞書を作成]ボタンをクリックすることで、既存の置換辞書から、「実際にその文書に含まれる検索対象語のみ」を抽出した「抽出辞書」を作成できます。抽出辞書とは、チェックリストのようなものです。チェック済みの語は抽出辞書から順に削除されるため、しらみつぶしにチェックすることができます。
一括置換と逐次置換
換の玉では、一括置換ももちろんできますが、順に置換してゆく逐次置換の支援に重点が置かれています。エディタや一部の置換ツールではテキスト文書に対する一括置換は可能です。しかし、書式があるWord文書の置換は簡単ではありません。一括置換では、リストに従い機械的にすべて置換してしまうため、注意しないと予想しない結果になり、かえって誤りを増やしたり、修正の手間が増えたりすることがあります。
Word文書に対して一括置換ができるツールもありますが、Word文書に図が含まれる場合は、置換した際に図が削除されてしまうこともあります。これは置換する語に文書内での図の位置を示す「アンカー」が含まれていると、語を置換する際に、そのアンカーと図が一緒に削除されてしまうからです。チェックしながら置換していく逐次置換では、このような問題が発生したときにすぐにわかります。
訳振り翻訳と翻訳ソフト
原語と訳語の用語集さえあれば、換の玉で「訳振り翻訳」を行うことも可能です。ここでの「訳振り」とは、原文の単語を用語集に基づいて機械的に一括置換するものです。しかし、複数形や動詞の活用などを自動的に処理できません。もともと換の玉は、訳振り翻訳を行うためのものではなく、「確認しながら表記を訂正・統一する」作業を支援するためのものです。一括置換では機械的な処理しかできないため、結局は修正の手間が増えます。訳振り翻訳のような作業を効率的に行うには、むしろ翻訳ソフトを使用するほうが便利です。翻訳ソフトの癖を修正する場合に、換の玉を使うことができます。
さまざまな活用
換の玉は、用語統一に使用すれば、翻訳の読み手の理解度を向上できます。また、カタカナの言い換え表現、中黒や音引き、敬語・丁寧語の統一や変更など、工夫次第でさまざまな活用が可能です。出版社、外部広報用途などでは、不特定多数の読者に対して、差別的表現、自主規制表現を使っていないか確認できます。
換の玉のパッケージには、サンプルの置換辞書として、前述の機種依存文字の置換辞書、アラビア数字と漢数字を変換する置換辞書が含まれています。先日リリースした最新版では、カタカナ語言い換えの例を新たに含めました。翻訳で乱用しがちなカタカナ語を言い換えることができます
置換前 |
置換後 |
クオリティ |
品質 |
ストラテジック |
戦略 |
パブリシティー |
宣伝 |
ランゲージ |
言語 |
ベスト プラクティス |
最善慣行 |
プリファレンス |
設定 |
この他にも、手持ちの置換用のデータをタブ区切り形式にすれば、
そのまま置換辞書として使用できます。 |
高度な使い方としては、★などの記号そのもの、または★で囲んだ語などを「検索する語」として置換辞書を作成することができます。たとえば、クライアントからの用語集の入手に時間がかかるときに、仮の訳語で作業を進めておき、後でまとめて置換できます。
換の玉では、複数文書を開いた状態で連続して作業できます。後で作業を再開する場合、繰り返し同じパターンを置換する場合などでも、置換辞書として残せます。また作業量が多くて複数人数で分担する場合でも、置換辞書を配布すれば確実に作業できます。
また、換の玉は、Unicodeに対応しており、特殊記号を含む欧文を処理できます。中国語については問題があるようですが、PDFなどで、日本語では使われない特殊な記号などの文字化けの修正をすることもできます。
さらに、前回のコラム「ワイルドカードによる高度な置換」でご紹介したワイルドカードが使えます。応用次第でさまざまに活用することができます。便利な活用法や置換辞書ができたらお知らせください。ご紹介させていただきます。
以下のアンケートでご希望やご感想をお寄せください!
|