SDL認定
先日TOEICを受験して 990点のフルスコアを取得しました。以前に985点を取得していたのですが、今回ようやく最高点に達しました。5点の違いはわずかなようですが、フルスコアを目指して勉強することで、文法の弱点を徹底追求することができたのは有意義でした。TOEICは取得したからといって仕事が保証されるわけでも、英語力を示す唯一の資格というわけでもありませんが、客観的な英語力評価の一つとしては有効です。
さて、自分の実力を客観的に評価するという意味で、今回はSDL認定をご紹介します。
SDL認定試験
「翻訳実務何年」という目安はよく見かけますが、非常にあいまいで、実際の能力を知る手掛かりにはなりません。SDL認定は、SDLが実施する認定制度で、オンラインで試験が行われます。SDL認定を取得すれば、SDL TRADOSだけでなく、間接的に翻訳者としての経験を、顧客や翻訳会社に対して、客観的に示すことができます。
SDL認定は、レベル1、2、3の3つの段階があります。各レベルは、40分以内で合計40問の4択問題に答える試験です。1問あたり1分ですので、ストップウォッチを用意して時間を確認しながら、テンポよく答えてゆく必要があります。
レベル3に合格すれば、SDL認定を取得できます。一部の設問に回答するには、具体的な作業の流れを頭にたたき込んでおく必要があるので、認定を取得するにはTRADOSで実際に作業した経験がほぼ必須です。また、さまざまな状況に対応できる知識を、講習や教材を通じてしっかり身につける必要があります。「SDL認定を取得した」ということは、翻訳の現場で相当の実績を積んだとみなしてよいでしょう。SDL認定(レベル3)に合格すると、認定証とこのようなロゴがもらえます。ウェブサイトや名刺に使うこともできます。
無料のレベル判定テストで、自分の実力がひとまずどのレベルにあるか確認できます。まずはここから始めることになります。
SDL認定トレーニング
以前から認定試験自体は行われていたのですが、2008年7月から、認定と連動したオンラインのトレーニング プログラムが日本語でも始まりました。SDL認定のレベル1、2、3に対応して、初級、中級、上級の3段階のトレーニング プログラムがあります。私が講師を務めています。録画ウェビナー(動画のデモ)は以前にご紹介しましたが、トレーニングでは録画ではなく、私が実際にSDL TRADOSを操作しているところをオンラインでご覧いただきながら、具体的な機能を詳しくご説明します。実際に操作しているところを直接見ることで、効率のよい作業方法を知ることができるはずです。
トレーニングの予定はこちらで確認できます。申し込みなどは一部英語になっていますが、コース自体は日本語で行われます。
「TRADOSは高機能だが複雑」と思われている方は少なくありません。TRADOSには、複雑な書式を持つ大量の文書を扱うための機能が備わっています。ハンカチ1枚を洗うのに洗濯機を使う必要はないわけですが、日々の仕事を効率よくこなすには、独学よりも体系的な使い方を身につけたほうが楽です。正しい知識を身につければ、「できなくて当たり前」と思いこんでいたことが楽にできるようになります。たとえば、タグや用語などの検証用プラグインの機能を正しく活用すれば、大量のチェックの効率を大幅に上げることができます(図1)。隅々まで体系的に学ぶので、私自身もSDL認定を取得したことで、これまで充分に使いこなせていなかった数多くの機能に気づかされました。
SDL TRADOSのプラグイン

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このような機能が使いこなせれば、翻訳者はもちろん、チェッカーの方も、日々の仕事がかなり楽になるはずです。
SDL認定のような資格は、さまざまな翻訳支援ツールとの組み合わせの前提の技能でもあります。ある翻訳会社の方から、「技能を身につけている翻訳者にはきちんと割増料金を払っている」と伺いましたが、すばらしいことだと思います。翻訳会社にとっては、そのようにして翻訳者の技能を正しく評価することが高品質な翻訳につながります。
TOEICもそうですが、お客さんから「安心して仕事を任せられる翻訳者」になるためにも、機会を見つけて、このような技能を証明する資格にどんどん挑戦してゆくのが大切です。
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