辞書引きのための検索ツール
紙の辞書でも困っていない?
みなさんは、パソコンの辞書ソフトはお使いでしょうか? 今回は基本に戻って、パソコンでの辞書引きのための検索ツールとテクニックをご紹介します。
よほどの「辞書の鬼」でないかぎり、パソコンの辞書ソフトと同じ頻度で、紙の辞書をすばやく引くのは困難でしょう。紙の辞書しか使わない翻訳者と、辞書ソフトを使う翻訳者では、翻訳の正確さや表現の豊かさに明らかな差が出てきます。ある程度は知識と経験で補えますが、それに安住していては、経験がなくても辞書ソフトを使いこなす翻訳者にやがて追いこされてしまいます。言葉の知識と経験は、一人の人間が頭の中だけでカバーするには限界があるのです。
パソコンの辞書ソフトの利点を確認してみましょう。
* 複数の辞書を同時に検索できる(串刺し検索)
* すばやく検索できる
* 読みやすい文字の種類と大きさ、行間などを調整できる
* カラー写真、動画、音声(発音を含む)などのマルチメディア情報で理解を深められる
* 検索した語句を記録できる
パソコンで辞書を引くことに慣れると、「少しでも気になる言葉があれば調べる」という習慣を身につけることができます。
さらにパソコン辞書ソフトで調べると、その言葉が辞書ソフトで見つからなかったとしてもすぐに続けてウェブで調べることができます。このような正しい作業の習慣を身につけることで、知識をこつこつと増やしていくことができます。
串刺し検索
翻訳者や通訳者にとって、複数の辞書を同時に検索する「串刺し検索」は非常に重要な機能です。
辞書ソフトに付属する検索ツールよりも、フリーウェアとして配布されている検索ツールがよく使われていることがあります。後者のツールの方が高機能で、複数の辞書形式が使えるからです。特にEPWING形式の辞書は、広く使われています。ただ、残念ながら最近ではEPWING形式の辞書は新しく販売されることが減っています。EPWING形式の辞書には無料で公開されているものも多数あります。
DDWinは広く使われている検索ツールで、マルチメディア情報や串刺し検索に対応しています。

EBWinは、DDWinとほぼ同等の機能を備えています。DDWinと同様に、下図では、オプションで表示するフォントの種類や大きさ、行間を見やすいように調整できることを示しています。ただし前述のDDWinは、EBWinと異なり『ランダムハウス英語辞典』の検索にも対応しています。

EBWin は、Windows Mobile用検索ツールであるEBPocketのパソコン版という位置付けです。W-ZERO3やイーモバイルなどのスマートフォンとして、Windows Mobile機器の使用は以前よりも増えてきているようです。また以前と比べて大容量のメモリーカードが数千円で手に入るようになり、大きな辞書を気軽に持ち運べるようになりました。スマートフォンをお持ちの方は、EBPocketも試してみることをお勧めします。私は常にWindows Mobileをポケットに入れて持ち歩いており、言葉に関する疑問があれば、いつどんな場所でも20〜30秒で辞書を引ける態勢を整えています。
ロボワードは、単体で発売されているほか、翻訳ソフトに付属することが多い検索ツールです。語句の上にマウスポインタを置くだけで検索できる機能が非常に便利です。EPWINGにも対応していますが、残念なことにそれぞれの翻訳ソフトに特化しているようで、異なる翻訳ソフトに付属するロボワードを同時にインストールして使うことができません。今後の改善を期待したいところです。
Google ツールバーはブラウザーに組み込むツールバーですが、ロボワードに似たマウスオーバー辞書機能もあります。

原文言語は英語のみですが、日本語を含め、各国語への訳語探しに対応しています。辞書の内容は(少なくとも現時点では)EPWING辞書には及びませんが、無料で使えるので、マウスオーバー辞書引きの便利さを試すには最適です。ただし、ブラウザーに組み込むツールバーですので、辞書引きの対象となるのは、HTMLなどブラウザーで表示できる文書だけです。
ウィンドウの切り替え
辞書と翻訳支援ツールを同時に使うと、複数のウィンドウで画面が狭いと感じるかもしれません。ウィンドウをすばやく切り替えるにはAlt+Tabキーを使います。最近は大画面のモニターが安価に買えますので、効率よく作業するためには、複数のモニターを使うのがお勧めです。
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