ネット検索の活用2
今回は、ネット検索の活用の続きです。ここでは、Google検索を例にしています。
特定語の除外
検索結果が多すぎる場合には、「-」(半角のマイナス記号)を付けて「除外キーワード」を指定します。除外キーワードを含むページは、検索結果から除外されるようになります。たとえば「utx」で検索すると、United Technologiesという会社の情報も検索されます。この会社のティッカー シンボル(略号)がUTXだからです。用語集の標準仕様としてのUTXについて調べたい場合は、「utx -"United Technologies"」のキーワードで検索すると、United Technologiesという語を含む検索結果は除外されます。
言語やドメインの指定
英単語を探している場合でも、英語のページではなく、日本語ページでの検索結果を知りたいことがあります。その場合は検索ボックスの下の「日本語のページを検索」をオンにして検索します。「検索」ボタンの右隣の、「検索オプション」リンクをクリックすると、さらに詳細な設定ができます。

以下のような画面が表示されます。

ここで、「あるウェブサイトで特定の言葉が使われているか」などを確認する場合には、「ドメイン」を指定します。たとえば、「cosmoshouse.com」を指定すると、cosmoshouse.comのサイト内のページのみが検索されます。特定の企業で使われている用語の確認に便利です。
検索のオプション
Google の特殊な検索機能には、多くの検索機能が解説されています。特に単位換算は役立つはずです(SDL TRADOSを使用している場合は、自動で換算されますが)。たとえば「25in」とGoogle検索すると、インチがセンチメートルに換算されます。Feet、yards、poundsなどで試してみてください。インチなどを除いて、複数形でないと認識されませんのでご注意。

漢字や読み方が分からない語
うろ覚えの言葉でもとりあえず検索すると、正しい語の候補が示されることがあります。人名や地名など、読み方は分かっているが探している言葉の漢字が分からない場合、とりあえずひらがなで検索してみるとよいでしょう。以下の例では「ひととよう」と検索して、「一青窈」が検索されています。逆に「一青窈」をなんと読むか知らなければ、とりあえず漢字で検索してみればいいわけです。

訳語の用例を確認する
苦労して訳語を見つけたはいいけれど、「本当にこんな言葉、あるのかな」と思ったことはありませんか? 意味不明の訳文には、2種類あるようです。「意味不明の言葉が使われた意味不明の訳文」の場合と、「言語明瞭、意味不明瞭」の場合です。前者の場合、辞書に訳語として記載されていても、実際には使われていない言葉であることがあります。たとえば、英辞郎にはticker symbolは「チッカー記号」と記載されています。ところがGoogleで「チッカー記号」という語は43 件しかヒットしません。この語はほとんど使われていないようです。
自分の専門分野ではなく、知識が不確かな場合には、実際に使われている言葉なのか、その言葉をネット検索して確かめてください。ヒット数が多ければ、実際に使われている語ということになります。逆にわずかしか見つからなければ、よほど珍しい語か、不適切な訳語ということになります。
「言語明瞭、意味不明瞭」の場合は、自分でよく理解できない言葉を使っていることがあります。自分で定義できる言葉だけ使うようにすれば、分かりやすい文章を書けるはずです。難しい言葉をすぐに使いたがるのは、日本語作文で陥りやすい誤りです。また少しでも気になる言葉は、すぐに辞書を引いて、定義を確認する習慣を身につけましょう。本連載の「辞書引きのための検索ツール」も参考にしてみてください。おっと、さっきは辞書が信用できないようなことを書きましたね。ネットと辞書は一長一短です。どちらも確認するのがベストです。
「自分が知っているんだから、読者も知っているだろう」と無意識のうちにみなすのは危険です。文芸翻訳では、手法として、文章の格調や文学的効果を優先し、読者が知らないような珍しい言葉をあえて選ぶこともあります。また、広告の要素がある翻訳では、見慣れないカタカナ語をあえて使って、読者の注意をひくこともあります(ビジネス書では、それが行き過ぎているようですが)。しかし、一般的な実務翻訳では、読者が確実に理解できる言葉を使うべきです。
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