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  ■講師 山本ゆうじ

言語・翻訳コンサルタント。国際学校UWCイギリス校で学び、筑波大学を経て、シカゴ大学人文学修士号を取得。帰国後、フリーランスの実務翻訳者として独立。緻密な合理化ワークフローにより、実務翻訳業務、また大規模翻訳・文書管理/作成の講習やコンサルティングを行う。近著にグローバル・スタンダードの教育を紹介し、日本の教育を問い直す『世界に通じる学校・国際学校UWCの異文化理解教育』など。現在、『通訳・翻訳ジャーナル』に、翻訳者を対象としたツール使いこなしについての「デジタル翻訳者の道具箱」を連載中。
「秋桜舎」のウェブサイトは、http://transpc.cosmoshouse.com/
ブログも開設中。http://cosmoshouse.air-nifty.com/


第25回  Skype(インターネット電話)で英会話練習


インターネット電話の活用


インターネット電話は、インターネット経由で通話するためのソフトやサービスのことです。英語やそのほかの言語での会話を練習するために活用できます。プライベートではもちろん、海外の翻訳会社やクライアントと取引する場合の業務連絡の手段として使うこともできます。最近は国際電話も安くなりましたが、料金を気にせずに打ち合わせができるのは助かります。

 

一部国内マスメディアの偏った報道により、海外の事情をあたかも知ったかのように錯覚することがあります。特に英語が苦手な日本人が、一部国内マスメディアの憎しみに満ちた「ヘイトジャーナリズム」に依存して、国家と個人を混同するのは危険ですらあります。「情報鎖国」が続くなか、異文化を持つ個人との直接対話は、「言葉の壁を越える」という翻訳者・通訳者の使命の根底にあり、インターネットはそのためにおおいに役立ちます。私も直接対話に向けて努力している一人ですが……。通訳の訓練としてはもちろん、翻訳者にとってもバランスのとれた英語力の訓練となります。

 


準備

 

図 1 Skype

図1 Skype

  図 2 Windows Live Messenger

図2 Windows Live Messenger

 

インターネット電話のツールには、Skype(図1)、Windows Live Messenger(図2)などがあり、世界のどこに対しても基本的な通話は無料で使用できます。

 

インターネット電話で会話するためにはヘッドセットが必要です。1000円以下で入手することができます。ノート型のPCやMacなどでは、そこそこの性能を持つマイクが内蔵されていることもあります。もし相手から「周囲の雑音が気になる」と言われたら、ヘッドセットにするのがよいでしょう。

 

ウェブカメラを使って「テレビ電話」をすることもできますが、なくてもかまいません。ウェブカメラを使うと、相手の映像を画面いっぱいに表示する全画面表示もでき、直接対面して話すのに近い感じが得られます。ウェブカメラも数千円程度から入手できます。最近はカメラの性能も良くなっているようで、日本にいながら遠いポーランドの町並みなどをリアルタイムでくっきり見せてもらってちょっと感動しました。

 


話し相手の見つけ方

プライベートで使うときに、英語を話す友達がまだいなければ、新しい会話の相手を見つけたいことがあります。自分が英語を話す練習をするときは、相手が必ずしも英語のネイティブである必要はありません。ただ、相手が「会話の練習相手になってくれている」という前提でない場合は、練習相手としてしか扱わないようでは長続きしないでしょう。

 

共通の趣味や話題を持つ新しい友達を探すには、FacebookMySpaceなど海外のSNSや、写真共有サイトFlickrに参加する方法があります。いずれも自分や他人の個人情報については慎重に扱うことをお勧めします。

 

インターネット電話では、複数の相手と同時に話すこともできます。英会話の練習グループを数人で作るのもいいでしょう。

 


時差にご注意

インターネット電話は常に起動しておく必要があるわけではありません。事前にメールで連絡を取り合い、互いに時間を決めてから通話することもできます。

 

話し相手との時差にも配慮が必要です。また相手のいる国によっては夏時間があることに注意する必要もあります。国によって期間も様々です。夏時間は「夏」という言葉のイメージとは違い、三月から十月、十一月までが含まれることがあります。The Personal World Clockなどのサイトで時差を確認できます。

 

また企業から、もしくは企業とのあいだでインターネット通話を行う場合は、企業内ネットワークを守るファイアウォールが障害となることがあります。ネットワーク管理者の協力を得て、事前にテストをしたほうがよいでしょう。

 


実際に話してみよう

ウェブカメラを使う場合、海外の友達との話しを 2、3時間もするあいだ、カメラがずっとオンになっていると、互いに少し窮屈かもしれません。とはいえ相手の姿が見えると安心でもあります。Skypeに慣れたポーランド人の友人が、初めて会話するときに「最初だけ、しばらくカメラをオンにしておきましょう」と言って、その後オフにしました。なるほど、いいやり方だと感心しました。

 

会話中には、ウェブサイトのリンクなどを相手に送信して、「こんな便利なサイトがあったよ」といった情報交換ができます。相手がそのリンクをクリックすれば、その場で同じサイトを見ることができます。Picasa Webなどの写真共有サイトに、自分の撮影した写真をアップロードすると、話題には困りません。

 

インターネット電話、特にテレビ電話を企業や会社でうまく活用すれば、「疑似留学」体験ができるかもしれませんね。