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  ■講師 山本ゆうじ

言語・翻訳コンサルタント。国際学校UWCイギリス校で学び、筑波大学を経て、シカゴ大学人文学修士号を取得。帰国後、フリーランスの実務翻訳者として独立。緻密な合理化ワークフローにより、実務翻訳業務、また大規模翻訳・文書管理/作成の講習やコンサルティングを行う。近著にグローバル・スタンダードの教育を紹介し、日本の教育を問い直す『世界に通じる学校・国際学校UWCの異文化理解教育』など。現在、『通訳・翻訳ジャーナル』に、翻訳者を対象としたツール使いこなしについての「デジタル翻訳者の道具箱」を連載中。
「秋桜舎」のウェブサイトは、http://transpc.cosmoshouse.com/
ブログも開設中。http://cosmoshouse.air-nifty.com/


第27回  SNSで人脈を広げよう


オンラインのコミュニティーを活用しよう


翻訳者や通訳者が個人で働いていると、人脈のネットワークをもっと広げたくなることがあります。人脈を維持し、拡大すれば、仕事を紹介されたり、紹介したりという機会が増えます。また社内翻訳者は、社内での事情はともかく、社外の翻訳の事情をまったく知らないこともあります。今回は「人脈ツール」としてのSNSなどのオンライン コミュニティーの活用についてご紹介します。

 


なぜSNS?

 

オンライン、つまりネット上のコミュニティーの中でも、特にSNS(social network service)では、他のメンバーに対して自分のプロフィールや興味を公開し、日記を書いて近況を知らせることができます。自分にとって「親しいメンバー」として登録した相手に限定して、日記を公開することもできます。ブログを開設している場合は、その内容を日記とすることもできます。またSNS内で、特定の興味に持つメンバーが集まってグループを作り、専門的な情報や意見を交換することができます。ネット上で交わされる情報は、信頼性が不明なものが多いのですが、SNSではプロフィールと「親しいメンバー」などから信頼性が確認しやすいといえます。

 

パソコンの操作などでちょっと困ったときに、気軽に訊ける人が身の周りにいますか? SNSなどで、自分の日記にそのことを書けば、詳しい友人がすぐに答えてくれるかもしれません。

 

またSNSは、特に地方で活動をする人にとっては貴重な情報源になります。直接参加できる講習などが少なくても、情報を入手できます。

 

セミナー、イベント、パーティーなどで興味深い人物と名刺交換したのに、そのままになっていることがありませんか? すぐに一緒に何かをするとはかぎらなくても、せっかくの一期一会の貴重な出会いを埋もれさせるのはもったいないことです。日記などを通じて相手がどのような人間か知ることで、しばらくごぶさたしていても、思い立ったら気軽に連絡することができます。「人間関係を途切れないようにする」のがSNSの大きな利点です。またすでに人脈を持っている人と知り合うことで、自分の人脈を大きく広げることができます。

 


SNSの具体例

いくつかSNSやコミュニティーの具体例をご紹介します。

mixiは、国内の巨大SNSです。私は、「プロ仕様・文章作成技法」(メンバー数30008人)、「翻訳工学」(メンバー数678人)などのコミュニティーを運営しています(この2つのリンクはmixi会員のみアクセスできます)。先日、色彩検定2級を取得したのですが、そのときも色彩検定のコミュニティーの情報が参考になりました。同じ興味を持つ仲間がすぐに見つかり、専門知識を深められます。

 

mixi-community

mixi内の「プロ仕様・文章作成技法」コミュニティー

 

Vital Japan Communityは、Vital Japanという、英語でビジネスに関する勉強会を行う団体専用のSNSです。SNSにはこのように特定目的のものもあります。mixiに似ていますが、大きくなりすぎたmixiに比べて、より親密な交流ができます。勉強会やパーティーで直接顔を合わせることが多いのも特徴です。

 

海外発のSNSでは、やりとりは英語(またはその他の言語)になるので、言語の訓練としてもおおいに役立ちます。友だち同士なら少々の間違いも気にせずにのびのび書けます。

 

Facebookは、アメリカ発のSNSで、世界中の友人とつながりを保つことができます。留学などの経験があれば、以前に行っていた学校の友人を驚くほど簡単に見つけることができます。利用者が多いので、私自身、何年も音信不通だった友人を何人も見つけることができました。留学経験がなくても、一人の海外の友人から、さらに友人の輪を広げることができます。

 

ProZ.comは、翻訳者向けのオンライン コミュニティーです。仕事の依頼や、SDL Tradosなどのさまざまな翻訳ツールに関する情報交換も活発に行われています。

 

LinkedInは、ビジネス指向のSNSです。つながりを増やすことで、自分の信用を高めることもできます。フリーランスの人にとっては役立つことがあるはずです。


自分のページにアクセスしてもらう

SNSでは、仕事とプライベートをどう使い分けるのか、というバランスが必要です。また仕事でもプライベートでも、自分を過不足なくアピールすることが重要です。「仕事一辺倒」では、その仕事の内容がよほど興味深いものでもないかぎり、個人的なつながりがなくなります。そもそも商行為を禁止しているSNSもあります。逆にたとえばProZ.comやLinkedInでは仕事の重点が高くなっており、実績、経歴、履歴書などが重要になります。しかしビジネスで使うにしても、趣味などの個人的な側面を知ってもらうのはおおいに役立ちます。顔がまったく見えない相手よりは、個人的な事柄も知ってもらうことで親しみを持ってもらえます。

 

SNSでは公開したくない個人情報は隠せます。ログアウトした状態で自分のページにアクセスして、他人からどう見えているか確認することができます。

 

多くのSNSでは特定の人を検索できますが、自分のプロフィール ページにアクセスしてもらうには「他人から見たときの自分のページ」を把握しておく必要があります。たとえば私のmixiのトップページはhttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=633374 です。自分で自分のトップページを見たときに表示されるhttp://mixi.jp/home.plではないので注意が必要です。これは他のSNSでも似たようなことが言えます。

 

自分のウェブサイト、ブログ、複数のSNSなど入り口が増えてくると、アクセスしてもらうにも工夫が必要です。私は、このようなまとめページを作って、そのアドレスを名刺に印刷し、興味のある(あるいはメンバーである)コミュニティーにアクセスしてもらうようにしています。


SNSを長く活用するコツ

SNSやオンライン コミュニティーでやりとりをするのは、楽しくもあり便利でもありますが、あまりのめり込むと仕事に影響することもあります。だれかがくれたコメントやメッセージにいつも「返事を書かなければ」というプレッシャーがかかり過ぎると疲れてしまいます。毎日時間を決めてアクセスするとよいでしょう。

 

また、自分に関心のある情報のみを受け取るように設定することができます。それぞれのコミュニティーのヘルプなども確認してみてください。

 

あまり多くのコミュニティーで活動するのも負担になります。いくつか試した後で気に入ったものに絞り込むとよいでしょう。

 

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