HOME通訳者・翻訳者になる本2011NHKグローバルメディアサービス バイリンガルセンター国際研修室
専門スクール体験レポート



 NHKグローバルメディアサービスバイリンガルセンター国際研修室
 

URL: http://www.nhk-g.co.jp/kenshu/


〒150-0047 
東京都渋谷区神山町9-23
第四共同ビル
TEL:03-5453-3412
FAX:03-5453-3486
E-mail:entrance@nhk-g.co.jp



基礎力養成とプロ育成の2コース制により
放送通訳や会議通訳のノウハウを徹底指導する

放送通訳者・翻訳者養成基礎コース「通訳英語」優秀な放送通訳者・会議通訳者の養成校として知られる国際研修室。「放送通訳者・翻訳者養成基礎コース」と「プロ放送通訳者・翻訳者コース」の2コース制をとり、高度な実践型教育を行っている。養成コースに属する「通訳英語」では「通訳クラス」と「英語クラス」を隔週で実施し、通訳力と英語力の両面から指導。今回は「通訳クラス」の模様をレポートしよう。

訪問クラス 
放送通訳者・翻訳者養成基礎コース「通訳英語」

通訳におけるリスニングが
どういうものかを理解・体得する


 始業時間は午前10時。だがその5分前には、早くもシャドウイング練習が始まる。この日の音声素材はオバマ大統領の就任演説。集中力を高めると同時に口の動きを滑らかにする効果的なウォーミングアップだ。


  シャドウイングが終了すると、講師の奥山奈穂子先生は宿題だったトランスクリプション(英語音声を聞いて文字化すること)の講評を述べる。「○○さんは原稿を起こした後に文法的に正しいか確認するといいですよ」などと個別にアドバイスし、さらに全員に対してリスニング力アップのためのコツを伝えた。


「聴解力は、単語や慣用句、背景知識のレベルによっても大きく左右されます。今回は“mainstreaming”という言葉が出てきましたが、障害者についての“mainstreaming”を語っているのであれば、日本語なら“ノーマライゼーション”と言います。こういう単語はコンテクストと一緒に覚えておくと忘れにくいし、自分でも使うことができます。そうして知識をこつこつ積み上げていけば、必ず聴解力は上がっていきます」


  続いては、前回の逐次通訳の講評。この講座では、受講生は自分の訳出を録音したテープを自宅で聞き直し、反省点や感想などのコメントを付けて提出することになっている。奥山先生は「憶測で訳した結果、事実関係を間違えている人が多かった」と訳出の総評を述べた後、コメントにもフィードバック。「名詞はメモし、動詞はリテンション(記憶)すること」と書いた受講生に「いい点に気づきましたね」と声をかけ、メモとリテンションの使い分けについて解説した。授業はまだ3回目だが、受講生たちはそれぞれに何かを掴み、着実に前進しているようだ。

聞き取る力を鍛錬する逐次通訳演習
事前準備のやり方も実践指導


 その後、英→日の逐次通訳演習が2回に分けて行われた。1つ目は前回から取り組んでいる国際シンポジウムでのスピーチ。奥山先生は「同じところを2度流すので、最初は聞くだけ、2度目にメモを取ってください」と指示する。まずは集中して聞いて幹を捉え、その後で必要な細部をメモしなさい、ということだ。


  受講生にとって〈情報を理解し記憶する〉ことはまだまだ難しい。いざ通訳しようとしても、情報を正しく取れなかったり、情報が抜け落ちたり。そんなとき、奥山先生はテープを再度流したりスクリプトを読み上げて表現や構文の解説をしたり、他の受講生に意見を求めたりしながら、正しい訳出へと導いていく。一語も訳出できなかった受講生に対しては、ポイントを分解してクラス全体で考えさせた後、「もう1回最初から訳してごらん」と再チャレンジを促す。再指名された受講生は、ときおり言葉につまりながらもすべてを訳出。逃げられない厳しさや緊張感の中で勉強するからこそ、実力がしっかり養われていく。


  2つ目の素材(ある記念イベントにおける講演)を使った通訳演習では、事前に配布された資料の活用の仕方について指導がなされた。


「今回のようにスライドのコピーをもらった場合、私は訳しにくいところの訳を付けたり、時間があれば全訳してしまいます。そして現場では、コピーに目をやりながら通訳する。そうすれば、話の流れを楽に追えるし、通訳の精度もぐっと上がります」


  また「組織名を別紙にリストアップし、名称を間違えずに言えるようにしておくことが大切」とも。初学者向けのクラスとはいえ、指導内容は極めて実践的だ。


  2つの逐次演習の間にはサイトトランスレーション演習や単語テストも行われ、2時間の授業はとても充実したものだった。次回はニュース番組の逐次通訳に挑む。この日と同様、受講生たちは奥山先生の丁寧な指導で、壁にぶつかりながらもしっかりとそれを乗り越えていくに違いない。

津野暁子先生
養成コース「通訳英語」
(通訳クラス)講師

奥山奈穂子先生
(おくやま・なおこ)
東京女子大学英米学科卒。NHK衛星第1放送海外ニュース番組の放送通訳、「NHKニュース7」など2カ国語放送の日→英ニュースライターとして活躍中。講師歴は10年以上。

知識が広がることは楽しい
そう思って勉強を続けることが 上達の近道です


「通訳英語」は初めて通訳を勉強される方向けのクラスですので、通訳に必要な“聞き取り”の向上を主軸に、リサーチの仕方や時事知識も学びます。学期の初めには「予告テーマについてできる限りリサーチして授業に臨む」「準備段階で必ず単語集を作る」など、受講中に最低限すべきことをリストアップして配布。初心者の方でも単なる英語学習と通訳訓練の本質的な違いを理解していただけることと思います。


  通訳訓練では、ときには自分を追い込むことも必要です。独学でそれをするのは難しく、結局は挫折してしまいがち。その点、学校では講師やほかの生徒の“目”を意識せざるを得ないので、いい緊張感の中で訓練に励むことができます。


  上達の近道は継続することであり、継続するには楽しみながら学ぶことが一番。嫌々やっていたのでは、単語一つ覚えられません。背景知識が増え、世界が広がっていく楽しさを感じながら勉強してください。


  とはいえ、勉強したからといって全員が通訳者になれるわけではありません。ですが、通訳という仕事には苦労を重ねて挑戦するだけの魅力も価値もあり、私自身「楽しみながらお金をもらっていいの?」と感じているほど(笑)。興味があるなら、とにかく一歩踏み出してみましょう。私が担当する午前中のクラスは特に主婦の方におすすめ。みなさんとても熱心で、教えるほうも生産的な授業ができます。得るものはの多いと思いますね。



NHKグローバルメディアサービス
バイリンガルセンター国際研修室の通訳系コース

養成コース
■ニュース英語コースT/U
背景知識、分析力、リスニング能力の強化を目標に、国際ニュースの重要トピックスを集中的に学びます。スピーディな情報処理、要約プレゼンテーションも重視します。
レベル目安:TOEFL530点〜

 

■通訳英語コース
通訳技術の基礎を集中的に学びたい方を対象としたコースです。英→日逐次通訳訓練を通して、通訳独特のリスニング法を身につけつつ、スピーディで適切な英語表現の方法を習得します。通訳授業と英語授業の二つを隔週で交互に行います。
レベル目安:TOEFL620点〜

 

■同時通訳基礎コース
放送通訳と会議通訳の高度な訓練のための準備コースです。本格的な逐次通訳スキルを習得し、併せて放送通訳・同時通訳の基本スキルも学びます。
レベル目安:TOEFL640点〜

 

プロコース

■放送通訳コースT/U
NHK衛星第1放送の海外ニュース番組に対応できる英→日放送通訳のスキルと知識の習得を目指します。スピードの速いニュースへの対応や映像に合わせた通訳など、放送現場に即した実践的な訓練を行います。

 

■同時通訳コースT/U
主に政治、経済、国際関係、社会問題の分野の国際会議やシンポジウムに対応できる日英・英日同時通訳、逐次通訳のスキルを習得するコースです。